夢か幻か!交通事故の刑法犯の実態を隠す最高裁

平成12年9月11日  弁護士松 本  誠

 最高裁が毎年刑事裁判の結果を示すデータ-として、司法統計があります。今年もこれが先週出ました。
交通事故の内 業務上過失致傷罪や致死罪がどうなったのか、目を通すと、ありません。どこにもありません。
そんな馬鹿なことがあるわけがない、と探しましたが、やっぱりありません。
交通事故犯罪のうち道交法違反があるのですが、毎年業務上過失致傷罪と業務上過失致死罪とに分けて、過失致死罪の次にのっていたのがないのです。簡裁の罰金だけは載っているのにです。
司法統計とは刑が現状どうなって入るのかを示すデータです。
国民主権のもと刑の実情を知る権利が市民にはありますから、これを公開しているのです。
業か致死罪の刑がどうなっているのかを示すデータがこれです。
「1年間で3年以上5年以下の例は3件ほどしかない」という新聞記事はこれを根拠としていました。
ところが、このデータを最高裁が出さなくなったのです。
考えられることは都合が悪くなったのでしょうか。
刑の実情は特に今交通事故で問題となってますから。
交通事故の実刑率が低いことがばれるのを恐れているとは思いませんが?
 そう言えば、平成5年犯罪白書で業務上過失致死罪の起訴猶予率が9年間で10倍になったことが明らかになりましたが、この時から、犯罪白書が再び業務上過失致死罪の起訴猶予率をデータとして公表することはなくなりましたね。
 これは死亡事件の検察の士気がなくなることがわかるのでまずい、と思ったのでしょうね。
9年間で死亡事故の起訴は10分の1になったのですから。言いかえるとやる気が10分の1になったのですから。
これ以降法務省は死亡事故の起訴猶予率のデータを出していません。
「命を守らない交通検察」となったことは見栄えも良くない?