ドライブレコーダ

平成16年8月24日
弁護士 松本  誠

死傷者数倍増と捜査の現状

昭和51年の60万人から118万人に倍増で、発生する問題は限界の捜査と捜査モラル喪失と非科学的捜査です。捜査情報の非開示によるこれらの助長です。  

昭和44年の業過致死罪の刑罰引き上げで99万人が60万人まで一旦減少しました。被害者が4割激減しました。ところが昭和60年代被害者数は一貫増加で118万人。

倍増は交通事故防止政策に矛盾があったから。昭和61年から検察が交通事故を起訴しない政策を始め、73%の人身事犯起訴率は11%に急降下。処罰は一旦厳しくされたが、検察が非犯罪化をとったため運転モラルが喪失した。朝令暮改政策である。   

限界の捜査 警察官の数は増えていません。交通捜査は実況見分をする時間は短く、丁寧な捜査が行なわれにくい。事件倍増で事件処理を簡単にする。事件数が多すぎ警察の士気もない。捜査は限界で、加害者の供述に沿う。      

捜査情報の非公開 捜査の秘密で被害者に事故情報は開示されない。遺族は目撃者の住所氏名も教えてもらえない。しかし実際警察が目撃者探しをする例はない。わずかな目撃者のあいまい証言で調書が作られ、被疑者供述に沿うよう作成される。巻尺と当事者の言い分に沿うのが捜査で死人にくちなしの捜査がなされている、 科学捜査をしてないと批判が強い。

 

ドライブレコーダの意義はあるか。

科学的捜査に繋がる。事故抑止力になる。国土交通省も意義を認める、と言われる。

遺族は? 目撃者や加害者のあいまい供述で決められる捜査への不信に応え、科学的捜査をして欲しい遺族の意向に応える可能性がある。

交通事故を減らす観点からは?

機械により記録されていると思い運転をするのでドライバーの事故抑止効果がある。

国土交通省や警視庁の意向は?  国土交通省は事故抑止策になり、映像を使った運転教育になるから普及に乗り出すようで、警視庁もドライブレコーダをつけているかどうかを事故捜査でチェックするかもしれない。衝突瞬間が写っているから証拠絶大。

 

ドライブレコーダの問題点。

被害者に捜査情報を開示しない制度で問題。今までの捜査資料は推測資料。

保管  歩行者や自転車が被害者の場合に今は見れない。客観証拠なのに、開示しないとなる。ドライバーに有利な証拠だけ提出するとなり、ますます加害者天国。専門家の評価を要する場合もある。フライトレコーダシステムを考え運用されるべき。

証拠価値  ドライブレコーダは今までの証拠と異なる。事故の瞬間を映し出す。今までの写真でも推測資料。決定的資料となる。それを出す出さないの裁量を、ドライバーに与えるのは問題。分析を客観的にする必要がある。データの信頼性の確保も課題。事故直後警察がすぐ保管できるシステムを作ることが必要。