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[2006年 12月 23日]
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いのちと向きあう:川口・保育園児死傷事故/4止 盛山陽南子ちゃん(3) /埼玉

 ◇法が変われば犠牲減る−−「脇見なら業過」ではまた苦しむ人が

 沖縄の太陽のように明るく元気で優しく。那覇で生まれた盛山陽南子(ひなこ)ちゃん(3)は、みんなが笑うとニコニコする天真らんまんな子。いつも「遊んで」って母陽子さん(29)にくっついていた

 洗濯物をたためば手伝ってくれたことや、掃除機かければ後を付いてきたり。ご飯作ればフライパン持ってまねしていました。牛乳を飲んだ後、口の上が白くなったから「ヒナ、おひげがついてるよ。おじいさんみたいになっちゃったね」と言うと、「わんわんみたいにぺろぺろするから大丈夫」って。

 医師の説明は「心肺停止」しか覚えてないです。信じられなかった。気を失っているだけじゃないかって。胸に耳をあててみたり手を握ったり。「握ってごらん。ギュッてやってごらん」と言い続けました。

 「体の一部がどこかに行ってしまった気がした」と父哲志さん(26)もいう。昨年3月、故郷の沖縄から埼玉へ。「引っ越したのが間違いだった」と悔やみ続けた。事故の1カ月後、所属する「琉球國祭太鼓東京支部」によるエイサー太鼓の公演があった

 当初は出るつもりなかったんですが、ヒナも好きだったし。そのころ危険運転致死傷罪の適用の難しさを感じていました。大きな事故を起こしたのに(最高刑が懲役5年の)業務上過失致死傷罪で片付けられてしまう。意味のある法律なのかなって。踊りには供養の意味もあるので会場で署名を集めようと思いました。

 事故を起こしても「脇見なら業過で済む」と思うドライバーが出てくると思うんです。本当は脇見じゃなかったかもしれないのに。最終的に犯人の供述で罪を決めるなら、懲役は5年ではなくもっと幅があってしかるべきだと思う。交通事故は次に誰が被害者になるか加害者になるか分からない。こんなにつらい思いをする人を増やさないためにも、これから生きていく子供たちのためにも。

 陽子さんの思いも同じだ

 法律が変わってドライバーの意識が少しでも変われば、犠牲にならずにすむ人が増えると思うんです。そうなれば、この子たちが犠牲にならなくていい命を救ったって考えられるんじゃないかって。もちろん加害者への憎しみはあります。自分の子供を失うことがどんなにつらいことか。だけど、人を憎んでいる時の顔って怖いじゃないですか。そういう顔を(4人の)子供たちには見せないでいたい。

 四十九日を終え、2人は「生前と同じように子育てしよう」と決めた。陽子さんが続ける−−

 掃除や洗濯すればヒナを思い出して、やりたくなかった。でも今は一緒にやる。「一緒にやろっか」とか「手伝ってくれる?」とか。きれいな花を見つけたら「きれいな花だね」って。心が落ち着くということは身近にいるんじゃないかと思うんです。だから頑張れる。ヒナが好きだったお菓子を見ると買いたくなっちゃうけど「生まれ変わったら買ってあげるね」って。でも、クリスマスには何か買ってあげようと思っています。【町田結子】=おわり

毎日新聞 2006年12月22日

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