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  社会

危険運転認めず懲役6年

愛知・春日井飲酒事故で名地裁判決

 愛知県春日井市で昨年2月、乗用車を飲酒運転してタクシーと衝突、4人を死亡、2人にけがを負わせたなどとして、道交法違反(酒気帯び運転)と危険運転致死傷の罪に問われた元会社員桑山健被告(27)の判決が11日、名古屋地裁であった。伊藤納裁判長は「故意に赤信号を無視したと判断するには合理的な疑いが残る」として危険運転致死傷罪の成立を認めず、業務上過失致死傷罪の適用が相当と判断。懲役20年の求刑を大きく下回る懲役6年を言い渡した。遺族によると、名古屋地検は判決後「控訴する準備を進めている」と遺族に説明した。

 懲役6年は業務上過失致死傷と道交法違反の併合罪では最も重い量刑。

 判決理由で伊藤裁判長は、桑山被告が事故現場の1つ手前の交差点では、車内の子どもの行動に気を取られ赤信号に気づくのが遅れたために、危険回避のためにやむなくクラクションを鳴らして進入した可能性を指摘した。一方、現場の交差点ではクラクションを鳴らした形跡がないため「信号無視をしようとする者の行動としては余りに無防備」と指摘。その上で「青信号だと思い込んでいたという被告の主張の信用性を否定するまでの事情は見当たらない」と結論づけた。

 検察側は昨年9月に危険運転致死傷罪などで最も重い懲役20年を求刑。結審後、伊藤裁判長はこの事故の場合に同罪を成立させる要件となる「赤信号をことさらに無視した」との立証が不十分だとして判決を延期。検察側は追加立証を行ったが、地裁は業務上過失致死傷罪を予備的訴因として加えるよう命じていた。

 判決によると、桑山被告は昨年2月25日午前1時ごろ、酒を飲んで乗用車で国道302号を東に進み、赤信号だった交差点に進入。左から青信号で入ってきた航空自衛隊小牧基地の隊員4人を乗せたタクシーに衝突し、運転手と隊員ら4人を死亡させ、隊員と桑山被告の車の同乗者の2人に重軽傷を負わせた。

 【危険運転致死傷罪】 1999年にトラックの飲酒運転で幼児2人が死亡した東名高速道路事故などをきっかけに2001年新設。悪質な飲酒運転や暴走運転による交通事故を過失犯ではなく、罪の重い故意犯ととらえ、故意に赤信号を無視した運転、アルコール・薬物の影響で「正常な運転が困難な状態」での運転などで人を死傷させた場合に適用される。最高刑は業務上過失致死傷罪より4倍重い懲役20年。





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