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危険運転致死傷罪、訴因変更11件→再適用3件悪質で故意性のある交通事故に適用される「危険運転致死傷罪」が2001年12月に新設されてから、同罪で起訴されたものの、1審(地裁)で、業務上過失致死傷罪に訴因変更されたケースが少なくとも11件あることが、法務省のまとめでわかった。 このうち3件では、控訴審(高裁)などで危険運転致死傷罪が再び適用されており、司法の判断が揺れる現状に、専門家は「法体系全体を見直すべきだ」などと指摘している。 最も重い場合、懲役20年が科せられる危険運転致死傷罪を巡っては、福岡市で幼児3人が死亡した飲酒運転事故で、福岡地裁が昨年12月、上限5年の業務上過失致死傷罪を訴因に追加するよう命令。今月8日の判決では、危険運転致死傷罪の要件である「正常な運転が困難な状態」とは断定できないとして、福岡市の元職員・今林大被告(23)に、同罪を適用せず、業務上過失致死傷罪と道交法違反を合わせ、懲役7年6月を言い渡した。 法務省によると、このほか東京、愛知、千葉、徳島など10都県の計10件の事故でも、1審で、業務上過失致死傷罪に変更された。 このうち最多は「信号無視」による事故の8件。特に02年4月に横浜市で起きた死亡ひき逃げ事故では、警察・検察側は、運転していた男が飲酒のうえ故意に信号を無視したと主張したのに対し、横浜地裁は、信号の見落としの可能性もあるとして故意ではなく過失とする判決を出している。 残る2件は「飲酒運転」と、スピードの出し過ぎによる事故で、02年4月に千葉県茂原市で2人が死亡した事故では、制限速度を30キロ上回る70キロで走行していたことを「制御困難運転」とする警察・検察の判断に、千葉地裁は「制御が困難とはいえない」と指摘した。 ただ10件のうち、1件は1審の判決段階で、2件は控訴審で危険運転致死傷罪が再度適用されており、06年2月に愛知県春日井市で4人が死亡した事故では、名古屋高裁が、1審の「青信号だと思いこんだ可能性は否定できない」とした判決を破棄、「赤信号を認識しながら無視した」と逆の判決を言い渡している。 昨年1年間に全国で危険運転致死傷容疑で立件された事故は、前年比55件増の434件。警察庁は「捜査を尽くして、要件にあてはまる事故には積極的に適用したい」(交通局幹部)としているが、福岡市の幼児3人死亡事故では、現場の警察官が、今林被告に行ったアルコール濃度の検知方法が、マニュアル通りではなかったことが公判で判明するなど、今後は、捜査のあり方も問われそうだ。 (2008年1月15日9時11分 読売新聞)
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