交通事故逸失利益、利息控除は「5%が妥当」…最高裁
交通事故の被害者や遺族が加害者から受け取る賠償金を計算する際、事故に遭わなければ将来得られたはずの利益(逸失利益)から年5%の利息(中間利息)を控除するのは、超低金利時代に妥当かが争われた損害賠償訴訟の上告審判決が14日、最高裁第3小法廷であった。
金谷利広裁判長(浜田邦夫裁判官が代読)は「5%より引き下げるべきという主張は理解できるが、賠償額の算定に当たっては、裁判官ごとに判断が分かれることを防ぎ、被害者間の公平を確保する必要があるから、中間利息は民法が法定利息としている5%を採用しなければならない」との初判断を示した。
そのうえで、3%の中間利息を採用し計約5500万円の支払いを命じた2審・札幌高裁判決を破棄し、賠償額を算定し直すよう審理を高裁に差し戻した。差し戻し審では、中間利息の引き上げで約2200万円が減額される見通しだ。
交通事故などで被害者が死亡した場合、事故後も働き続けたと仮定して、平均賃金などを基に将来分の逸失利益を算出するが、これを一括して受け取って運用すれば金額が膨らむため、毎年生じると予想される利息をあらかじめ控除することになっている。中間利息は法律で利率が定められておらず、損害保険や裁判の実務で5%にほぼ統一されてきたが、最近の1%に満たない低金利を考慮し、賠償金を受け取る側に有利な2〜4%に下げる裁判例が相次いでいた。今回の判決は、被害者にとっては厳しい結果となった。
訴えていたのは、北海道北広島市で2001年8月、歩道上を暴走した乗用車に自転車ごとはねられた小学4年の男児(当時9歳)の遺族。2審・札幌高裁は中間利息について「実質金利の動向に照らせば、5%よりも3%の方が合理的」と判断していた。
(2005年6月14日12時34分 読売新聞)