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大阪府警の飲酒検問で、アルコールが検出されたものの濃度が低く警告で済んだドライバーのうち、4人に3人が「この程度の酒量なら大丈夫」という理由で飲酒運転していたことが14日、府警交通部が行った意識調査で分かった。飲酒運転の罰則強化について全員が「知っている」と回答しながら、4年前の調査に比べ「確信犯」のドライバーは倍増しており、府警は「摘発ができなくても違反は違反」と啓発活動を強化している。
(小野木康雄)
意識調査は今年6月に実施。検問で呼気からアルコールが検出されたが、濃度が酒気帯び運転に当たる1リットル当たり〇・15ミリグラムよりに低く、飲酒運転で警告を受けたドライバー97人から聞き取りした。同様の調査は平成14年6月の罰則強化前後にも2度行っており、府警はそれぞれの結果を比較、検証した。
それによると、罰則強化を知っていたとする回答は今回初めて100%に到達。飲酒運転を「悪い」と答えた人も76・3%にのぼり、前回の63・9%から大幅に増えた。
ところが、過去にも飲酒運転の経験があった人は74・2%で前回(72・2%)から微増。その理由について「この程度の酒量なら大丈夫と思った」が75%を占め、4年前の前々回(34・5%)の2倍以上に。同じく4年前の罰則強化後に行った、前回(60・3%)と比べても約15ポイント増加しており、少量のアルコールを飲んで飲酒運転する常習者が増えていることをうかがわせる。
飲酒場所としては、居酒屋が50%で前々回と前回に続きトップだったが、これまで多数を占めたスナック・バーなどに代わって、2位にコンビニエンスストア(12・5%)が入った。府警は「帰宅するまで我慢できず、飲みながら運転しているケースもあるのではないか」と分析している。
社会の厳しい目が必要
軽い気持ちで飲酒運転を犯したドライバーが、取り返しのつかない事故を起こした例は後を絶たない。警察庁の今年上半期(1〜6月)のまとめでは、飲酒運転が原因の死亡事故は2年連続で増加し、364件。大阪では死亡事故全体の14・3%を占めている。
先月27日深夜、府警は高速道路の出入口59カ所で一斉に飲酒検問を行った。信号待ちがなく本線道路上での検問がない高速道路は、飲酒ドライバーが逃げ込みやすく、大事故につながるおそれもあるためだ。
摘発された62人のうち、悪質と判断された2人は現行犯逮捕された。一方でアルコール濃度が基準を満たさず警告にとどまったドライバーは、倍近い116人にのぼったという。
飲酒死亡事故の被害者遺族らでつくる市民団体「MADD Japan」(マッドジャパン)代表の飯田和代さん(62)=千葉県鎌ケ谷市=は「常習者は、悲惨な事故を起こして逮捕されるまで『この程度なら大丈夫』という自己弁護を繰り返す。すべての飲酒事故は犯罪という意識が必要」と指摘する。
府警は取り締まりと合わせ、飲食店などにもドライバーに酒を提供しないよう啓発活動を強めている。しかし今回の意識調査では、不特定多数に酒を販売するコンビニエンスストアがドライバーの飲酒場所になっている実態も判明した。
「TAV交通死被害者の会」事務局の米村幸純さん(56)=大阪市阿倍野区=は「軽い気持ちで飲酒運転する人は、命を落とす被害者の姿をイメージできていない」と指摘。「罰則強化だけでは限界がある。失われたものが被害者の命だけにならないよう、飲酒運転に対する社会の厳しい目が必要」と訴えている。
(2006/08/15 08:07) |