職員の飲酒運転、彦根市は報告義務づけず
◆市長「人権侵害にあたる」
飲酒運転による交通事故が問題となり、独自の厳しい基準などを設ける自治体が増えるなか、滋賀県彦根市の獅山(ししやま)向洋市長(65)は25日の記者会見で、11月1日から適用する市職員の飲酒運転懲戒基準について「飲酒運転の報告義務づけは、憲法が禁じた不利益な供述の強要にあたり、人権侵害」として、検挙の有無にかかわらず、報告の義務づけは基準に盛り込まないことを明らかにした。
元神戸地検検事の獅山市長は「法的には、職員が飲酒運転しても、市への報告義務はない」とし、県内や全国の自治体が、報告義務化を進めていることに触れ、「公務員にだけ求めるのは職業差別」と断じた。一方で、職員の自己申告や報道などで市が飲酒運転を知った場合には「処分の対象になる」とした。
懲戒基準は、飲酒運転による死亡・重傷事故は免職、物損事故の場合は免職か停職、などとしている。
阿部照哉・京大名誉教授(憲法)の話「憲法の趣旨からは外れないが、社会的常識からすると許されない。飲酒運転をなくすために設けた懲戒基準なのに、憲法を持ち出すことで、かえって職員の飲酒運転を助長しかねないのではないか」
(2006年10月26日 読売新聞)