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交通事故:高齢者運転深刻 事故全体の24%、死亡事故の半数 /山梨

 ◇有効な対策なく 能力は人それぞれ…周囲の人が注意を

 高齢者(65歳以上)が関係する交通事故が後を絶たない。昨年、県内で起きた事故の約24%を占め、死亡事故では約半数にも上る。特に高齢者が運転する車両が死亡事故を引き起こす割合が増えている。歩行者には夜間に反射材を付けるよう呼びかけるなど対策を講じられるが、ドライバーは自身が気をつける以外に、事故を防ぐ有効な手だてがないのが現状だ。【藤野基文、曹美河】

 今月8日、峡南郵便局(市川三郷町)の窓ガラスを突き破って乗用車が飛び込んだ。乗用車は局内の窓際にあった長イスを後ろから押し倒し、座っていた客の男性が腰に軽傷を負った。一つ間違えば大惨事になっていたケースだ。運転していたのは78歳の男性。前向きに駐車しようとした際、ブレーキとアクセルを踏み間違え、コンクリート製のタイヤ止めを乗り越えたという。

 高齢者の交通事故は右肩上がりで増えている。県警交通企画課によると、03年から交通事故全体の約2割を高齢者によるものが占め、08年には6477件中1577件の24・3%まで増えた。

 また、死亡事故のうち死者が高齢者だった割合は、最近10年間は27~42%を推移していたが、07、08両年は50%を超えた。08年に起きた死亡事故50件のうち高齢者の死者は26人(52%)だった。

 一方、高齢者が事故時の過失が最も重い「第一当事者」となる割合も増している。08年の交通事故死者50人中15人(30%)が高齢者の運転する車両の過失によるものだった。

 こうした事態を受け、高齢者に運転免許の自主返納を促す取り組みが始まっている。

 県タクシー協会は昨年6月から免許証を返納した高齢者への割引制度を始めた。返納時に出される運転経歴証明書を提示すると、料金が1割引きとなる。

 08年12月末現在で、県内には59万2174人の運転免許保有者がおり、うち約17%の10万1026人が高齢者。「車社会」の山梨で車は生活必需品で、運転免許はなかなか手放すことができないという事情もある。

 県警交通企画課は「運動能力や判断力の低下は人それぞれで、一概に高齢者の運転が危険とは言えない。ただ、能力の低下は自覚しづらいので、家族や周囲の人がよく見て、危ないと思ったら止めてあげることも大切」と話している。

毎日新聞 2009年1月26日 地方版

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