京田辺市で昨年12月、大型ダンプで女子学生をはねて死亡させたとして自動車運転過失致死罪に問われた奈良市の運転手、牧野正之被告(43)の初公判が5日、京都地裁(柴田厚司裁判官)であり、被害者参加人として遺族が出廷した。昨年12月に始まった被害者参加制度に基づくもので、同地裁では初めて。女子学生の生い立ちや被害感情を述べた遺族の調書を検察官が全文朗読し、隣席で遺族男性が泣きじゃくった。【熊谷豪】
起訴状では、牧野被告が12月9日、京田辺市の交差点で携帯電話の通話に気を取られ、自転車の同志社大工学部学生(当時21歳)をはねて死亡させたとされる。牧野被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は通常、供述調書の要旨しか述べないが、今回は学生の両親と姉の計3人と、牧野被告の供述調書を計1時間にわたって朗読。「勉強もスポーツも頑張っていた。将来は研究者になりたいと夢を膨らませていた」「霊安室に案内され、顔を見た瞬間、目を疑った。顔の半分がなかった」(いずれも父親)といった生々しい描写も読み上げ、家族旅行や入学式の写真8枚も証拠として提出した。
傍聴席にも母親と姉とみられる2人が遺影を手に座った。牧野被告は終始うつむき、手で涙をぬぐう場面もあった。
被害者や遺族らはこれまでも法廷の証言台で意見陳述することができたが、同制度では新たに検察官のそばに着席し、被告に直接質問したり、独自に求刑することができるようになっている。
毎日新聞 2009年2月6日 地方版