第8次交通安全基本計画によると、平成22年までに年間24時間内死者数を5,500人以下にすることが目標となっています。そして、“他の各国の交通事故情勢が現状のままであれば,我が国は,「世界一安全な道路交通」を実現することになる。”としていますが、平成20年交通安全白書の「参考-3 欧米諸国の交通事故発生状況」を見ると2年間で6位から7位に後退しています。
先日のシンポジウムで紹介されたオランダのボンネルフ、スウェーデンのビジョン・ゼロ、RoadPeaceのイギリス。そして、情報開示などの先進国ドイツ。これらの国に比較して日本はどうなのか?
上の表を見ていただくと、人口10万人当たりの死者数(30日以内)では、ドイツよりも安全な国のはずなのですが、自動車走行1億キロメートル当たり死者数を見てください。日本はアメリカをも引き離してワーストトップです。
これは何を意味しているのでしょう? 日本のクルマあるいは道路が最も危険だということではないでしょうか。死者数に占める歩行者と自転車の割合が46.8%(交通安全白書 第3図)とダントツであることからも、日本が“「世界一安全な道路交通」を実現”などと交通安全基本計画に書く前に、現状の分析をして歩車分離信号の推進などに力を入れて欲しいものです。まぁ、本当のことを書くとさらに自動車産業が減衰して景気が悪くなるのを気にしているのかもしれませんが、ビジョン・ゼロの本質「生命が第一という強力な倫理的動機」に思い至って欲しいと願うばかりです。
2010年秋の第9次交通安全基本計画の中間案策定までには、会として何らかの提言をしていきたいと思っています。