ひとりで苦しまないで
TAVは、交通犯罪によって大切な家族を奪われた遺族と重度後遺障害被害者の家族自らが運営する、自助努力の会です。いかなる政治、宗教団体からも独立した非営利の活動をしています。
交通犯罪によって毎年多くの大切な「いのち」が奪われていますが、わが身にふりかかってはじめて、その悲しみや苦しみの深さを知らされます。
私たちは、不幸にしてそうした経験を負わされたために、被害者遺族が抱えるさまざまな問題と向き合ってきました。
会では、会員のそうした経験を活かし、「こころ」のサポートや、被害者の立場に立った法律相談・裁判支援、司法制度改善に関する各方面への意見具申なども行っています。
心をわかちあう
突然の交通犯罪で大切な家族を奪われた悲しみ、自由を奪われた悲しみは耐えうるものではありません。悲嘆の中では周囲との関わりも受け入れることが困難になります。「早く元気になって」などの善意の慰めの言葉にさえ傷つきます。誰にも分かってもらえないという思いから、距離を感じ次第に社会からも遠ざかりがちになります。
そんなとき、同じ経験をした人々と語り合い、心をわかちあうことで孤独感や疎外感を少し和らげることができます。
悲しみや苦しみ、怒りや憎しみ、自責の念などのあらゆる感情、また、不眠や動悸、記憶力の低下などの身体的変調は、突然深く傷つけられた人には自然なことです。
会に参加すると、自分だけが特別異常になってしまったのではないと実感することができます。会では、同じ悲しみ苦しみを知る人どうし、一歩ずつこれからを生きられるように支え合っていきます。
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・定例会、家族会などは自由な交流の場です。専門家による個別の相談やカウンセリングも受け付けています。
あきらめないで
交通犯罪においては、被害者が意思表示できなくなってしまうと真実が見えにくくなります。犯罪であるにもかかわらず、「事故」という扱いのため十分な調査もされないことがほとんどです。そして、加害者の多くは、自分の不利になることは証言しません。
結果として、被害者側の視点が無視されたまま調査が進められていきます。
悲嘆の中で、葬儀、加害者との関わり、保険会社の補償問題などが次々と起きてきます。その間に何も分からないまま、加害者の処分が決定されてしまいます。
会では被害者側の立場から、経験に基づいた対応の仕方をアドバイスしています。また、こうした現状の改善を求める活動も行っております。
【事件の処理】
・記録を残す ・証拠、遺品を残す ・目撃者を捜す ・示談を急がない
被害者の立場から
何とか加害者が公判起訴されると、刑事裁判が開かれます。近年、ようやく刑事司法制度が被害者のほうを向きつつあり、被害者遺族としての権利が徐々に認められつつあります。諦めないで、意思表示できなくなった家族に代わって、できるかぎりのことを考え努力される方には、支援を惜しみません。刑事、民事いずれの場合でも被害者側に立った進め方のノウハウをアドバイスします。
また、裁判中には、家族だけの孤立感を和らげるためにも、交通犯罪裁判が事務的に処理されることを防ぐ意味でも、会員相互による傍聴支援を呼びかけています。
【裁判支援】
・人任せにしない ・目的意識をしっかり ・傍聴支援
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